木村草太准教授 「安保法制にこれから歯止めをかける方法」を読んで

木村草太准教授の寄稿文
 安保法の廃止をめざし、違憲訴訟も行っている団体が主催する賛同人募集を目的の一つとした集会で配布された資料の中に、木村草太准教授の下記の寄稿文があった。
  寄稿文『安保法制にこれから歯止めをかける方法』
 (2016年1月14日にWEB「現代ビジネス」に寄稿した文章)

 違憲訴訟の原告の一人である者にとって、寄稿文の少なくとも次の2か所は、
疑問である。

第1の疑問、“廃止ではなく「是正」
 下記③の意見が、「戦争法」廃止ではなく「是正」を主張している。
 彼の見解の適否はともかく、団体活動の「戦争法廃止」の目的に合っていない資料と言える。
   『法律は適用されなければただの言葉に過ぎない。これから重要なのは、
    ①国民自らが安保法制の問題点をしっかり理解し、
    ②政府が自らの答弁や閣議決定、国会の附帯決議を守るよう監視し続
けることだ。 その上で、
    ③法律の内容を是正する努力を続けて行かねばならない。』

第2の疑問、“反対派は勝利”
 法案成立阻止に向けて運動を続けてきたが、法案は成立した。
 この状況を彼は下記の通り、「反対派の実質的勝利」と評価する。
『しかし、政府が、存立危機事態条項は実際には使えない条項だと認め
た点は非常に重要だ。
なぜなら、この条項を実際に使うには、「それが武力攻撃を受けている
事態と同等であること」を証明する責任を政府の側が負うことになるか
らだ。
そうした証明はほとんど不可能であり、実際には使えないところまで
追い込んだわけだから、集団的自衛権については、反対派の実質的勝
利と評価することもできるだろう。』

集会主旨に合わない資料配布
法案廃案の運動を繰り広げたが、「戦争法」は成立した。しかし、「戦争法」廃止を諦めずに、訴訟を含む国会内外の運動によって「戦争法」の廃止を実現しようと活動している団体の賛同者を募る集会に木村准教授の寄稿文はそぐわなかった。

枝を見て森や山を判断する~「法技術的分析」
  木村准教授の著書「集団的自衛権はなぜ違憲なのか」読んでみると・・
「法技術的分析」のあまり、法や制度の趣旨・目的から大きくそれた解釈をしているように感ずる。

>第3の疑問 ”集団的自衛権“
2014年7月1日の「閣議決定」で定義する集団的自衛権は、『ことばの上では、集団的自衛権の行使は個別的自衛権の行使として説明できる場合に限られている』と彼は説明する。
つまり、集団的自衛権と言うが、実質は個別的自衛権であって、憲法解釈を変えたわけではないとの見方である。

第4の疑問 “立憲主義の破壊“
(実質的に個別的自衛権なのだから、)『首相や外相に投げかけるべきは、「今回の閣議決定は立憲主義の破壊だ」と言う大げさな違反でなく、「自分たちで決めた閣議決定をちゃんと遵守しろ」のひと言ではないだろうか。」(96頁)
立憲主義の破壊でないと言う見解は、憲法学者の中ではきわめて少数の意見のように思う。
 
彼の「法技術的分析」等によるとするこれらの「見解」は、“(木や森ではなく)一本の小枝を見て、森や山を判断」した結果のように感ずる。

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